株式会社ジョイント・コーポレーションは2008年11月21日(金)、ベルサール神田にてアナリスト・機関投資家を対象に、2009年3月期第2四半期決算説明会を開きました。同説明会の様子は、「決算情報/決算説明会」より、動画でもご覧いただけます。

説明会には、代表取締役社長執行役員 東海林 義信、代表取締役副社長執行役員 松﨑 勉、取締役専務執行役員 関根 達也、常務執行役員グループ経営企画室長 岩谷 健一郎の計4名が登壇しました。
不動産業界を取り巻く市場環境が一段と厳しさを増す中、オリックスグループの資本参加を受けたジョイント・コーポレーションがどのような方針で対応するのか今後の方向性に注目が集まり、約120名のアナリスト、機関投資家が出席されました。
まず、東海林がプレゼンテーションを行い、2009年3月期第2四半期決算の概要と、市場環境を踏まえた今後の経営戦略を説明し、その後来場者から多数の質問が寄せられました。


不動産市況の激変と今第2四半期(4-9月)の取り組み

昨年以降、当社を取り巻く環境は激変しました。建築費、用地費の高騰のあおりを受けマンション価格が上昇、その結果、分譲マンション市況の悪化を招きました。昨年6月に改正建築基準法が施行され(不動産業界が混乱する中)、夏にはサブプライムローン問題が表面化しました。金融機関の融資姿勢も月を追うごとに厳しくなり、加えて昨年9月に金融商品取引法が施行されたこともあり、外資系ファンドを中心に流動化プレイヤーが減少しました。今年に入ってからも、世界規模の金融危機はますます深刻化し、それに伴い不動産市況も一段と悪化しました。
このような環境下で、今第2四半期(4-9月)は4つの施策に取り組んでまいりました。

(1)バランスシートの圧縮

バランスシート健全化の基本方針に沿って、たな卸資産と有利子負債の圧縮に努めてまいりました。資産売却と有利子負債の圧縮を最優先として取り組み、2008年9月末時点において、総資産が2,450億円と前期比で約989億円減少いたしました。主なポイントとしては2008年3月末に2,354億円あったたな卸資産が1,816億円と538億円の圧縮、有利子負債は2,181億円から1,723億円と458億円の圧縮が実現しています。たな卸資産の圧縮分538億円には、たな卸資産の評価減が含まれます。実質的な増減としては、建物の建築が進んだ分等でたな卸資産が約360億円増加したのに対し、売却により約520億円を圧縮しました。

(2)グループ構造改革

生産性・収益性の向上に向け、業務集約や事業統合など事業体制の整備を進めました。
4月には分譲事業の販売業務をグループ会社の「ジョイント・レジデンシャル不動産」に集約する一方、グループ各社の管理業務や仕入、商品企画等の販売関連業務を本社部門に集約しました。事業および業務運営ノウハウを共有することで生産性を向上させ、グループシナジーを創出することが狙いです。これらの結果、4-9月の一般管理費を削減することができました。今決算期では、金融子会社における、不動産を対象とした営業貸付金の貸倒引当金繰入損を計上していますが、それらの一過性の要因を除けば、一般管理費は前年同期と比べて約7%の削減となっています。期末に向けて最終的には10%の一般管理費を削減することを目標としていきます。

(3)オリックスグループによる資本参加

厳しい業界環境を乗り切るための経営策として、資本関係を含めたパートナー・スポンサーを探すことを最優先事項とし、複数の方々と話し合いをさせていただいた結果、最終的に幅広い金融事業・不動産事業のノウハウを有するオリックスグループに資本参加していただき、財務体質の強化を図ることとなりました。
第三者割当増資による新株発行を実施し、普通株式約40億円は2008年9月26日に、優先株式60億円は11月17日に、それぞれ払込を完了しております。これにより総額約100億円の資金を調達できました。さらに、新規プロジェクト取得の際のつなぎ資金として、総額200億円の極度融資枠を設定していただきました。この融資枠設定により、今後機動的に物件を取得することができ、厳しい環境の中にあって、競争力の維持、強化を図ることが可能となります。今後はオリックス不動産株式会社との協業による不動産共同投資事業の展開等を検討してまいります。また、人的支援としてオリックスグループからは、代表取締役1名、非常勤取締役1名を含む7名の人材を派遣していただきました。この資本参加により、一層強固な財務体質、安定した経営基盤を構築でき、新規物件開発を可能とする機動的な資金調達や不動産共同投資事業など次なる飛躍に機動的に対応できる体制を整備することができたという点で、今第2四半期(4-9月)の大きなトピックスであると認識しております。

(4)含み損処理の実施

前期に引き続き、今第2四半期(4-9月)においても不動産市況のさらなる悪化を踏まえ、適切な評価損を計上しました。2008年3月期において既に114億円のたな卸資産評価損を計上いたしましたが、さらに237億円のたな卸資産評価損を計上いたしました。評価損の内訳は不動産流動化事業で約65%、不動産分譲事業で約35%という比率です。金融子会社における営業貸付金の貸倒引当金繰入損42億円をあわせて、累計で395億円の含み損処理を実施したことになります。

その結果、誠に残念ではありますが、2009年3月期第2四半期の売上高70,422百万円(前年同期比169億円減)に対して、32,075百万円の経常損失、40,432百万円の純損失となりました。

2009年3月期通期業績予想

(1)連結業績予想

今期の売上高予想は1,298億円で、当初予想よりも430億円程の減少を見込んでおります。これは、流動化物件の大幅な売上の減少によるものです。先ほどご説明したとおり、たな卸資産評価損等を計上したことにより、営業損失285億円、経常損失328億円と大幅な悪化を予想しております。また、法人税等調整額56億円を計上した結果、当期純損失が408億円と、大幅なマイナスを見込んでおります。営業利益・経常利益・当期純利益のすべてにおいて、創業以降初めての損失という、大変残念な予想となっております。

(2)セグメント別売上高、営業利益

通期の流動化事業の売上高は309億円と、物件購入者側に資金がつきづらいということもあり、流動化案件の売却が難しいため、対前年比で3分の1以下を見込んでおります。一方の分譲事業に関しましては、分譲マンションの価格調整により販売のスピードアップを図ることができることを鑑み、売上高は対前年比47%増の823億円を見込んでおります。残念ながら、流動化事業、分譲事業ともに大幅な営業損失を見込んでおります。不動産関連事業においても、貸倒引当金繰入により、売上高174億円、営業損失19億円の予想となっています。

(3)分譲マンションの販売状況

分譲マンションの販売状況は、2008年9月末時点で325億円の引渡もしくは契約が済んでおり、543億円・1,526戸の引渡計画に対し59%の進捗率、戸数では54%の進捗率となっています。10月末には、金額ベースで65%、戸数ベースで59%まで進捗しております。
また、モデルルームの来場者数は7-9月には月平均で736人だったのに対し、10月は1,235人と、500人近く増加いたしました。分譲事業の営業部門の強化を図っており、モデルルームの来場者数の増加につながったものと思われます。この11月も、来場者数は順調に増えていると報告を受けています。

今後の経営戦略について

(1)当社の課題認識と今後の方針

今後も、不動産業界を取り巻く現在の環境はしばらく続くものと予想されます。早期再生を図るためにも、事業戦略の見直しと組織改革が喫緊の課題であると認識し、次に挙げる3つの方針を掲げております。
方針1:事業戦略の見直し
方針2:資金調達力の強化
方針3:ガバナンス体制の強化
これらの方針の下、早急な収益構造の建て直し、機動的な事業資金の調達による預貯金の手元流動性の確保、意思決定プロセスの透明性向上を図ってまいります。

(2)方針1.事業戦略の見直し

なるべく早く資産の入れ替えを行い、資産を適正規模へと圧縮してまいりたいと思います。当たり前のことですが、分譲事業では物件販売の現場の強化を行っています。流動化事業に関しましては、金融収縮の影響で物件は売却しづらい状況です。プロジェクトごとに、事業性等について見直しを行っていきたいと考えております。
また、収益性を重視し事業を集約するなど、非効率な分野からの撤退を検討し、グループ全体で人的生産性の向上とコスト削減を図ってまいります。
仕入に関しては、回転期間の短い物件を厳選して取得します。完成物件が中心になろうかと思いますが、仕入は今下期より再開する予定です。当面は、もともとの得意分野である分譲事業へ軸足を移し、都心・首都圏を中心に分譲物件を供給していきたいと考えています。一方の流動化事業については都心6区(港区・中央区・千代田区・品川区・新宿区・渋谷区)にエリアを絞り、売上規模にして20~100億円程度の中規模物件を中心に供給してまいります。
以上の戦略に加え、オリックスグループとの不動産共同投資事業を視野に入れながら、早期に収益構造の建て直しを図る所存です。

(3)方針2.資金調達力の強化

機動的な物件取得・開発強化を目的に、オリックスから200億円の融資枠を頂戴しています。劣悪な環境ではありますが、一方で仕入のチャンスもありますので、この融資枠をフルに活用して、先ほどご説明したとおり、下期からは完成物件を中心に優良物件を取得して販売していきたいと考えています。
一方で、必要十分な運転資金の確保を目指し、主力行をはじめとした金融機関と更なる関係強化を図っていきたいと思っています。
機動的な事業資金の調達を可能にすることで、手元流動性を十分に確保してまいります。

(4)方針3.ガバナンス体制の強化

経営と執行の役割を明確化すべく、取締役の刷新を図り、取締役の意思決定および業務執行の監督機能強化を目的に社外取締役3名を招聘いたしました。11月14日付けの臨時株主総会で、既に新しい取締役が就任しております。また、経営責任を明確化するためにも、取締役の任期を現行の2年から1年へ短縮いたしました。さらに、取締役と兼務する執行役員を大きく減らし、執行役員による業務執行機能の強化を図ります。
事業リスク管理体制の強化を目指し、特に財務(資金調達)、仕入、企画開発、販売の部門間の連携を強くすることで、業務プロセスのモニタリングを行い、徹底的なリスク管理を行っていきたいと考えています。また、このめまぐるしい経営環境の変化に即応し、適宜、方針を見直すことのできる体制を整えたいと思います。
これらガバナンス体制の強化により、最終的には意思決定プロセスの透明性向上につなげていきたいと考えている次第です。

以上で、2009年3月期 第2四半期における業績および経営戦略についての説明を終了いたします。